イングヴェイ・マルムスティーン ー Yngwie MalmsteenのメロディアスなソロNo,1はどの曲?

私は16才の時に初めてバンドに参加して、当時流行っていたヘビメタをやることになりました。
いろんなバンドのコピーをやろうとしてたのですが、私はどうしたら“ギターうまいなー”と言ってもらえるか考えて、どのギタリスト(バンド)をコピーするかで悩みました。
ちょうどその頃ヴァン・ヘイレン ー Van Halenの新しいアルバム『1984』が発売されたからレコード屋さんへ行ったら、久しぶりに見る懐かしいグラハム・ボネット ー Graham Bonnetの新しいバンドアルカトラス ー Alcatrazzのポスターが貼ってありました。

お店の人がオススメだと言うので、ついでにアルカトラスのレコード『ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール ー No Parole from Rock ‘n’ Roll』も買って帰りました。
兄と先にどっちを聴くかと言うことになって、兄はヴァン・ヘイレンを選んだので、私は仕方なくアルカトラスを聴きました。
なんの前評判も知識もなく聴いたのですが、どの曲もフロントピックアップを使って常に速弾きしてるギタリストにびっくりしました。
速く弾くと言っても、それまでのギタリストは短い繰り返しのフレーズを速く弾く人がほとんどでしたが、このギタリストはフレーズの長さに関わらず常に速い。
しかも速いだけじゃなくてフレーズがメロディアスでカッコいい!
聴き終わって兄とレコードを交換して今度はヴァン・ヘイレンを聴いたら、テクニックがすごいのは分かるけどとても控えめなソロに聴こえてしまい、頭の中からアルカトラスのギタリストの速弾きが離れませんでした。
さて、バンドでコピーをするならヴァン・ヘイレンなら“すごい”と言ってもらえそうですが、私はライトハンド奏法に全く魅力を感じてなくて、これはアルカトラスをやるしかないと決めました。

 『ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール ー No Parole from Rock ‘n’ Roll』
それまでのロックギタリストの早弾きとは違うレベルのソロを披露したイングヴェイ。
このアルバムでは曲に合ったおりこうさん的なソロを考え弾いてるけど、それでも魅力的で圧倒的過ぎるソロでした。

私はバンドで『アイランド・イン・ザ・サン ー Island in the Sun』や『ヒロシマ・モナムール ー Hiroshima Mon Amour』、そして後に日本でのライブでやった『孤独のナイト・ゲームス ー Night Games』やレインボーの『シンス・ユー・ビーン・ゴーン ー Since You Been Gone』『オール・ナイト・ロング “All Night Long』もやりました。
『孤独のナイト・ゲームス ー Night Games』はシングルレコードを持ってたけど、イングヴェイが弾くと全然違ってましたね。
リッチーブラックモア大好きな私はイングヴェイ同様にソロは決めや一部のフレーズ以外はアドリブですが、1番やりたかった『ジェット・トゥ・ジェット ー Jet to Jet』は、あの決めのフレーズが弾けずに断念しました。
イングヴェイを弾いたおかげで、私の思惑通りにみんなから“ギターうまいなー”と言われました。\(^^)/

このアルバムのツアーで日本へ来てライブレコーディングしたのが『ライヴ・センテンス ー Live Sentence』で、このライブビデオを何回も観たけど、バンド活動を始めたばかりの私にはリッチーブラックモアのライブ映像以来の衝撃でした。
ネックをすごいスピードで動く左手がアップで撮られていて、感動しました。

アルカトラスのライブにはもう1つ音源があり、それが『ライヴ’83 – Live’83』です。
日本に来る前のライブで、イングヴェイはバッキングを日本のよりはまじめに弾いていて、ソロも日本のよりは少しアルバムに近いフレーズを弾いてます。
ただ、アドリブはあまり上手く弾けてなく、いわゆるハズレな感じで、日本でのライブはリリースされると分かってたので、それなりにソロを考えておいたのかなと、このライブアルバムを聴いてから思いました。
『ライヴ・センテンス ー Live Sentence』の『孤独のナイト・ゲームス ー Night Games』や『クリー・ナクリー ー Kree Nakoorie』そして『サファー・ミー ー Suffer Me』のソロなんて完全なアドリブなら出来すぎです。
しかし、どちらのライブもグラハム・ボネットの歌は酷く、新しいギターヒーロー誕生の煽りを受けてリリースされたのでしょう。
ライブを観てイングヴェイは間もなく脱退するとみんなが思ってたら、予想通りにアルカトラスを脱退。
そしてソロアルバムをリリースします。

『ライジング・フォース – Rising Force』
イングヴェイがソロの構成やフレーズをしっかり考えて弾いてるのは、このアルバムが1番でしょう。
インストゥルメンタルの曲が多くフリーパートのところも、ほとんどが考えておいたフレーズだと思います。
イングヴェイのギターの音は、このアルバムが好きです。(iTunesには『ライジング・フォース – Rising Force』というソロアルバムがありません。)
リリースを急いでいたせいで、ミステイクがそのまま収録されているのも良かったから不思議。

ソロアルバムの後、今度はバンドとして動きます。
『マーチング・アウト ー Marching Out』

全体的に低域が出過ぎててドラムの音が特に残念なアルバムですが、北欧メタル的な曲が多く『ドント・レット・イット・エンド – Don’t Let It End』のようなキャッチーな曲もあり、アルカトラスの曲よりメロディアスだと思います。
アルカトラスではキーボードのジミー・ウォルドーが曲作りに参加した曲がメロディラインが良かったですね。
このアルバムのイングヴェイのソロは少しラフな感じで、もうちょっと考えて弾いてたら更に良かったはずです。
ただ、インストゥルメンタルの『マーチング・アウト – Marching Out』のソロはアームとチョーキングをうまく使った泣きのフレーズを弾いていて好きでした。
この時のライブも映像化されリリースされましたが、とても残念な音を出してましたね。

『トリロジー ー Trilogy』
インストゥルメンタル中心のソロアルバムを除けば、バンドとしてイングヴェイが曲に合ったメロディアスなソロを1番しっかり弾いてるのは、このアルバムだと思います。
前作のソロがあまり練られてなく残念なのが多かったけど、このアルバムでは対照的に素晴らしいソロを弾いてます。
『ユー・ドント・リメンバー – You Don’t Remember, I’ll Never Forget』はミドルテンポのいかにもハードロックな曲でイングヴェイの泣きのフレーズが聴けます。
『ファイヤー – Fire』は『アイランド・イン・ザ・サン ー Island in the Sun』に似たソロを弾いてます。
『マジック・ミラー – Magic Mirror』のソロはイングヴェイのソロの中でも特にメロディアスで素晴らしく好きです。
『トリロジー・スーツ Op:5 – Trilogy Suite Op:5』はシャッフルのところはカッコいいけど、後半はダラーっと長いだけなので要らないです。

『オデッセイ ー Odyssey』
それまでのイングヴェイの歌メロとは少し違うこのアルバムは、どの曲もキャッチーなメロディアスで、ジョー・リン・ターナー ー Joe Lynn Turnerが参加して大正解だったと思います。
1曲目の『ライジング・フォース ー Rising Force』を聴いた時は鳥肌が立ちました。
『ホールド・オン ー Hold on』では、ジョーがそんなハイトーンまだ出たのかと思うようなメロディを歌っていて、サビはしんどそうにも感じました。
イングヴェイのソロは残念なものが多く、ギターの音もアメリカのチャートを意識した音にされていてがっかりでした。
ソロは構成がしっかり出来てないものがほとんどで、『ヘブン・トゥナイト ー Heaven Tonight』や『ナウ・イズ・ザ・タイム ー Now Is the Time』のように、ただダラーっと長いと感じるだけのソロもあります。
このレコーディングの時はイングヴェイは手を怪我してたので、それの影響が大きかったのでしょうね。

次のアルバムエクリプスEclipse以降はスウィープピッキングの割合が増えて更に速いフレーズを弾くようになります。ただスウィープピッキングによるフレーズはパターンがあまり多くなく、特にディミニッシュコードでのフレーズはかなり多用するようになりました。
もちろんカッコいいソロやクラシカルなフレーズなどもたくさんあるけど、とにかく速く弾くのでどうしても同じフレーズが何度も出てしまい、初期の頃ほど魅力を感じなくなりました。
YouTubeで2019年のライブ映像を観たけど、最早バンドではなく、イングヴェイのパフォーマンスを魅せるための他のメンバーと言った感じです。

と言うことで、私が選んだイングヴェイ・マルムスティーン ー Yngwie Malmsteenが弾くメロディアスなソロNo,1は『マジック・ミラー – Magic Mirror』です。
(@^^)/~~~では

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