20歳の頃、ウドー音楽事務所でバイトをしていました。
海外のアーティストのプロモーターで、来日コンサートや移動などの手助けをしていました。
仕事とは言え、ボン・ジョヴィ(BON JOVI)やエリック・クラプトン(Eric Clapton)他、超大物アーティストのコンサートが観れるのは嬉しかったです。
リハーサル前後でステージに上がることもあったので、機材などもチェックできました。
リハーサルを観ることができたのも最高でした。
ボン・ジョヴィ来日
ボン・ジョヴィが超大ヒットアルバム『SLIPPERY WHEN WET』を引っ提げて、大阪城ホールでコンサートを行った時の話です。
まず、ボン・ジョヴィのバスが大阪城ホールに到着した時に警備がありました。
カメラやサイン色紙、プレゼントなどを持ったファンが大勢いるので、速やかにバスがホールに入れるように警備します。
その時に、おそらくアメリカの10代半ば位の女の子のグループがいたんですけど、バスを追いかけて来ました。
危ないのでガードするんですけど、そうしたら走るのをあきらめた女の子はバスに向かって叫びました。
「BON JOVI! I love you!」
私は感動しました。
映画や演技ではなく、本場の本当の気持ちを込めた生アイラブユーを初めて聞いたんです。
なんて純粋で素敵な女の子なんやって思いました。
お客様入場!
リハが終わりお客さんが入場してきます
私はトランシーバー片手にスタンドの一角を任されてました。
規律を守らない荒くれ者を規制するのが主な役目でした。
私のエリアには荒くれ者がいないことを祈りながらお客さんの様子をチェックしていたら、なんとさっきのアイラブユーの女の子のグループがいました。
私は再会できたことを嬉しく思いました。
やがて前座のバンドの演奏が始まり、みんな大人しく座って聞いていました。
いよいよボン・ジョヴィの登場!
仕方のないことですが、席から移動するお客さんは必ずいます。
アイラブユーの女の子のグループもそうで、自分の席からかなりの位置を移動していたので私はチェックに行こうと思ったんですが、英語が話せません。
もしかして日本語全くダメかもしれないと思いつつ、後ろから話しかけるとその女の子は無視…。
肩を叩いて何度も話しかけていたら、女の子は振り返ってきつい目で睨んで来て中指を立てて怒鳴りました。
「Fuck you!…」
さっきのアイラブユーとは正反対の感情で言われました。
チョット怖かったし、かなりショックでした。
アンコールが終わって帰る時も、女の子は私に何か文句を言いながら出て行きました。
日本にいてリアルに「Fuck you!…」と言われる人はなかなかいないでしょう。
英語が理解できなくてよかったと思いました。
翌日ボン・ジョヴィは新幹線で東京へ
私は新大阪駅のホームで警備です。
両隣の者と腕を組んでガードしていたら、なんと昨日の女の子がいました。
メンバーがファンの相手をして、なかなか新幹線に乗ってくれないと思っていたら、その女の子から股間に膝蹴りいただきました。
涙が出るほど、とても痛かったです。
でも両隣と腕を組んでるので体を前に曲げられず、若干腰が曲がった状態で耐えてました。
もうこのバイトはコリゴリやと思いました。
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